TWICEジョンヨンが越えた「苦悩の空白」――度重なる休養とステロイド治療の葛藤、2026年の今ステージで見せる真実
ジョンヨン 病気という検索ワードが、かつてどれほど世界中のファンに冷や汗を伴う緊迫感をもたらしたか。まばゆい照明に照らされるK-POPの最前線で、不動のガールズグループTWICEの屋台骨を支えてきたジョンヨン。だが2020年秋、突如として彼女の姿がステージから消えた。理由は健康上の問題。あまりにそっけない公式発表の裏で、彼女の身体と精神は限界点をとっくに越えていた。
首のヘルニア手術、それに伴う処方薬の副作用、そして逃げ場のない不安障害。世間がネット上でジョンヨン 病気の実態について無責任な推測を重ねていた時期、本人は鏡の前で激変する自分の体型やコンディションと必死に戦っていた。2026年となった今、10年以上のキャリアを積み上げたTWICEのステージで歌う彼女の佇まいには、痛みを経た人間にしか宿らない、圧倒的な説得力が備わっている。
2020年からの暗転――頸椎ヘルニアと突然の活動休止が意味したもの
異変の兆候は、2020年6月のミニアルバム『MORE & MORE』のカムバック直前に現れていた。練習中に首を痛め、受診した病院で下された診断は頸椎椎間板ヘルニア。動かすだけで激痛が走る状態のまま、彼女はカムバックのわずか1週間前に手術を受けた。
痛みを隠してステージに立ち、首に湿布を貼った痛々しい姿が配信で映り込むこともあった。それでも彼女は笑顔を作った。TWICEというモンスターグループの歯車を止めてはならないという重圧が、彼女の足を無理やり前へと進ませていたのだ。しかし、身体は嘘をつけない。同年10月、所属事務所のJYPエンターテインメントは心理的な不安とパニック障害を理由に、ジョンヨンの活動中断を発表した。
一度立ち止まったことで、張り詰めていた緊張の糸が完全に切れた。激しいダンスナンバーを踊り続ける日々から一転、静まり返った部屋で痛みと向き合う日々の始まりだった。
ステロイドの副作用と容姿への冷淡な視線――残酷なK-POP界の洗礼
ヘルニアの強い炎症を抑えるため、彼女に処方された薬にはステロイド成分が含まれていた。激痛を抑える代償として現れたのが、急激な体重増加とむくみ、いわゆるムーンフェイスなどの副作用だった。
少しずつ体調を取り戻し、2021年の第30回ソウルミュージックアワードでサプライズ復帰を果たした瞬間、歓喜と同じくらい残酷な視線が彼女に向けられた。カメラが捉えたのは、以前のスレンダーなビジュアルとは異なる彼女の姿。ネット上には容赦のない嘲笑や心ないコメントが溢れ返った。
病気を治すために飲んだ薬のせいで、外見を徹底的にジャッジされる。K-POP業界が内包する「完璧なビジュアル」への異常な執着が、弱ったジョンヨンに牙を剥いた瞬間だった。そのストレスがさらなる不調を呼び、同年8月には再び活動休止を余儀なくされる。ファンの祈りとは裏腹に、出口の見えない悪循環が続いていた。
見えない敵「パニック・不安障害」との共存――なぜ心は悲鳴を上げたのか
身体の痛み以上に厄介だったのが、心に巣食った不安だった。一度パニックの引き金が引かれると、何万人もの歓声が恐怖のざわめきに変わり、足がすくんで動かなくなる。
休養中、ジョンヨンは自身の状態について多くを語らなかった。ただ、後に明かされたところによれば、休むことそのものに対する強い罪悪感に苛まれていたという。「自分がいないことでメンバーに迷惑をかけている」「ファンを失望させているのではないか」。休養は決して気楽なバカンスではなく、自分を責め続ける過酷な精神的監獄だった。
華やかなスポットライトから隔離された静寂のなかで、彼女が闘っていたのはウイルスでも骨折でもない。「自分自身への過度な要求」という形のない怪物だった。
メンバーの献身と「9人」を守り抜いた絆――支えられた復帰への助走
孤独な闘いを続けるジョンヨンを現実に引き戻したのは、誰あろうTWICEのメンバーたちだった。
過去に同じく不安障害で休養を経験していたミナは、言葉以上に寄り添うことで痛みを共有した。リーダーのジヒョをはじめとするメンバーたちは、ジョンヨンの欠席を「不在」として扱うのではなく、ステージ上に常に彼女の居場所を空け続けた。カムバックのたびに「私たちは9人」と言い続けた言葉は、単なるファンサービスの美辞麗句ではなかった。
2022年、魔の7年ジンクスを破り、TWICEの9人全員がJYPとの再契約を結んだ。この決断の裏には、ジョンヨンが完全に回復するまで待ち続け、彼女のペースに合わせてグループ活動を再構築するというメンバー同士の強固な信頼関係が存在していた。
個人の声を取り戻す旅――単独コンテンツ『鑑別士』で見せた飾らない素顔
回復への決定的なステップとなったのは、アイドルという枠組みを飛び越えた彼女自身の自由な挑戦だった。その象徴が、YouTubeで始まった単独ウェブバラエティ『鑑別士』だ。
ゲストの自宅を訪ねて不要な私物を鑑定・寄付するこの番組で、ジョンヨンが見せたのは、完璧にメイクされたアイドルではなく、よく笑い、よく食べ、気さくに他者と語り合う等身大の20代女性の姿だった。サーフィンやスノーボードといったアクティブな趣味に没頭し、身体を動かす喜びを再発見していったことも彼女の心を解きほぐした。
「ありのままの自分でも愛される」という実感。カメラの前で無理に取り繕うのをやめた瞬間、彼女の瞳に生気が戻った。病気を克服するとは、元の型に戻ることではなく、新しい自分を受け入れることなのだと、彼女自身の生き方が証明していた。
2026年の現在地――「不完全な強さ」を武器に新時代を切り開くジョンヨン
デビュー11年目を迎えた2026年、ステージに立つジョンヨンの姿には、かつてのような危うさは微塵もない。
体型や容姿への過度な執着から解き放たれ、芯の通ったパワフルな歌声でスタジアムの観衆を魅了する。彼女がたどった足跡は、K-POP業界全体にとっても大きな転換点となった。「倒れるまで働き、完璧であり続けなければならない」という旧態依然としたアイドルの呪縛を破り、弱さを認め、休み、そして立ち上がる姿そのものがカルチャーとしての深みを与えたのだ。
傷跡を隠すのではなく、勲章として掲げるジョンヨン。苦悩に満ちたあの空白の年月があったからこそ、2026年の彼女が放つ輝きは、誰よりも温かく、力強い。 (出典: ジョンヨン 病気(Yahoo!ニュース))